概要
建物の老朽度、機能性、BCP(事業継続計画)、省エネ・省資源、快適・健康、外部への影響といった建物全般にわたる性能を、iPadを利用して定量的かつスピーディに評価する建物健康診断システム「たてもの診たろう」を開発しました。
開発の背景
当時の大林組様では、建物に求められる性能や機能をExcelにより総合的に評価する建物健康診断システム「たてもの診たろう」を展開していました。現地での建物調査やお客様へのヒアリングの結果を膨大な診断シート(紙)に記入し、その結果をExcelに入力して詳細な分析を行う必要があり、さらに出力されたExcelの報告書に図表や写真を貼り付ける必要もあるなど、調査診断から報告書の作成までに多大な時間と労力を要することが問題となっていました。また、「たてもの診たろう」の診断結果等は担当部門で別々に保管されていたため、部門間で報告書を共有することができないことも課題でした。
アプローチ
現地調査を記録する端末として、iPadを導入し、現場で直接調査データを入力、編集、登録可能なiOSアプリケーションを開発しました。また、お客様へのヒアリングをWeb上で行うシステムを構築しました。iPadで登録したデータやお客様へのヒアリング結果はPCで確認することができ、確認後、即座に診断結果を各種報告書として出力できるWebページも合わせて開発しました。建物ごとに診断の進捗状況、診断結果、報告書等を一元管理できるデータベースを構築しました。
建物ごとに診断の進捗状況、診断結果、報告書等を一元管理できるデータベースを構築しました。
施策による効果
現地調査を記録する端末としてiPadを導入したこと、お客様へのヒアリングをWeb上で行うシステムを構築したこと、報告書作成が容易になったことなどから、調査・診断から報告書作成に至る時間やコストが大幅に削減されました。また、診断結果のデータベース化により、建物ごとの診断状況や診断結果が容易に把握できるようになりました。